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2004年06月09日

まだ遠い光

天童荒太の「家族狩り」最終章「まだ遠い光」を読了.このストリーの大きな流れである「家族狩り」の謎は4巻半ばでなんとなく想像がついたのですが,最後が希望で終わるか,絶望で終わるかが気になって一気に読み進みました.こんなに出版を待ち焦がれた作品は久しぶりです.

オリジナルは93年に書かれたそうですが,小説の基をなすこのような家族の問題があの当時からあり,それに作者が注目していたとは,子の親に対する暴力,親の子に対する暴力,空回りする努力,多くの無関心な人々.やりきれなくなる素材を組み合わせながら,それでも希望を象徴するエンディング.人はこんなに変われるのか,こんなに善意に溢れた行動を取れるのか,ここまで希望に溢れていいのか首を傾げるところもありましたが,でも,生きていることはいいことだ,誰でも生きていく権利はあるのだと感じさせられる作品でした,

また,これでまた着物本に戻れそうです.(笑)

投稿者 violetta : 2004年06月09日 20:27

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