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シュリーマン旅行記清国・日本

book071105.jpg一気読みしてしまいました,「シュリーマン旅行記清国・日本」

あのトロイの遺跡の発掘で有名なシュリーマンがじつは日本を訪れていて,彼の目から見た日本人の印象が書かれている.江戸時代の日本人と現代の日本人は,もう比較にもならないのでしょうが,賄賂を受け取ることを潔しとせず,切腹さえしかねない日本人の誇り高さ.かたや,寺に花魁の肖像画を飾っている感覚,江戸時代の人々の生活が好奇心旺盛で偏見のないシュリーマンによって伸び伸びと描かれています.清国に対する強烈な批判が一転,日本に対する褒め言葉が続々.世界一清潔と折り紙付き,でもそれも男女混浴の銭湯のお陰.でも,嫌らしさは一片もない.たった150年ほど前に私たちの祖先がどんなにシンプルで,でも豊かな生活をしていたかを教えられました.

当初この翻訳版は私家版として出版されたものを文庫本として世に送り出したもの.元本では小宮康助氏の江戸小紋の文様を図案化した装丁となっているとのこと.いつか見てみたいものです.

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