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2004年10月29日

アフリカの瞳

hitomi041029.jpg帚木蓬生のアフリカの蹄の続編アフリカの瞳を読了.この作家の本は気になって出版されるたびに必ず読んでいます.今回は前作から12年経ち,黒人国家の樹立がなされたものの,次なる問題,エイズとそれを取り巻く国内外の問題に立ち向かう作田医師の活躍を描いています.

世界が取り組むべき,人類への挑戦であるエイズを主題として取り上げ,医師として的確な知識を駆使しながらストーリーを膨らませている

エイズについての簡潔明瞭な記述はさすがと思わせます.でも,なぜか心に響いてこない.考えてみると,ひとつはあまりにもあっけないハッピーエンディング.こんなに話がうまく進むなんて,あまりにも現実離れしていて嘘っぽい.

さらにもうひとつは彼の描く女性に感情移入できないでいる自分の発見です.女性の喋っている言葉はアンドロイドというか,ロボットのようで,生身の女性の感じがしない.へたな芝居を見せられている感がする.空山のように女性が中心の小説でも感じていたが,今回もまた女性の描写が迫ってこない.エイズという,現在世界の脅威をとなっている問題に取り組み,その解決に向けての希望を掲げているのに,非常に残念です.

投稿者 violetta : 2004年10月29日 22:24

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